この間、電車の中で近くにいた女性二人の会話が聞こえてきました。 どうやら片方の女性が職場での愚痴を言っているようです。 つい耳がダンボになってしまいました。 話の内容が職場の人間関係だったので、興味があったんですよね…。
あ、とはいえ。耳はダンボになりましたけど、わたしの名前は”マギー審司”ではありませんよ。
さて、愚痴がどんな内容だったか…要約するとこう↓です。
わたしの仕事は接客業。
同僚に、とろくて仕事が遅いおばさんがいるわけ。
動作がのろくて、混雑時も急ぐ様子もないし、もう本当にイライラしちゃう!
私よりもずっと昔から働いているベテランのおばさんでね。人柄は良いのよ。
そう、悪い人じゃあないのよ! だからなのかな、他のみんなは、「あの人は仕方ないよね」って、不満を感じてないっぽいのよ。
でもわたしは、わたしよりも高い給料をもらっているのに、こんなに仕事が遅いなんて!!って腹が立って仕方なくって。
最近は休憩中とか、仕事をしていない時も一緒にいるとムカムカしちゃって、顔を合わせるのも嫌なのよ!!
ねえ、チコちゃん。どう思う?
というような内容でした。
若干、脚色していますが。
脚色している部分は、チコちゃん です。
実際はチコちゃんがいたわけじゃないので…。 え、チコちゃん、見たの?まじで?!と期待した方がいたら、ガッカリさせて申し訳ないです。
とにかく、仕事がトロイ人がいてイライラする!っていう話でした。 わたしもこれ、経験あります。その時は、仕事ができない人の方が悪い!とイライラしながら働いていたのですが、今はちょっと考えが違います。 なので、どうしてイライラしちゃうのか、どうしたらいいのか…わたしの考えを書いていこうと思います。
仕事が遅い人にイライラするわけ
自分以外の人は、仕事が遅い人にさほどイライラしていない様子。それなのに自分だけは、その人のトロさが許せない。
これは、いったいどういうことなんでしょう…。
仕事とは〇〇である。
↑この〇○に当てはまる言葉、ぱっと思い浮かぶものはなんですか?
わたしは、以前なら「仕事とは、素早くてきぱきと、正確に行うものである」と答えたんじゃないかなーと思います。
〇〇の中に入る言葉は、当然人それぞれ違っていて、どれも間違っていないと思います。
かつてのわたしは、この自分の答えが正しい、他は間違いだってどこかで思っていましたね。
もし、仕事とは『誰かの役に立つこと』と答える人だったら、仕事のスピードよりも、一人一人のお客さんを大切にして、心を込めて接客すると思うんです。
そうすると、丁寧になるのでスピードは落ちてしまいます。
でも、スピードを一番に考える人だったら…?
以前レジバイトをしていたとき、猛烈にレジさばきが早い人がいたんですが、パンとか果物とか…つぶれやすい品物の上に、重たい物をガンガン重ねて置いたり、生肉の上に、お刺身を置くとか…気にするお客さんは嫌がるだろうなあ…っていう事をちゃっちゃとやっていました。
ご本人は、スピードが一番!って思っているだけにまったく気にしていないように見えました。
自分の『こうあるべき!』という考えを、他人にも押し付けていないか?と考えてみると、それは違うなあ…ってイライラが少し落ち着くかもしれません。
焦るからイライラする
わたしは、「仕事ができる、優秀な人だと思われたい」という気持ちがだいぶ強かったです。
なので、当然、人の目、人の評価をとても気にしていました。
さらに、先ほどの「仕事とは、素早くてきぱきと、正確に行うものである」と思い込んでいるので、急ぎながら、でも間違えてはいけない、という焦りが大きかったです。
アンド、人から良い評価をもらいたいので、「できない人だと思われたらいやだ!!」という見栄からくる緊張も。
そういう状態で心休まることなくあくせく動いているときに、近くでのんびり仕事をしている同僚がいたら…。
わたしはこんなに頑張ってやっているのに!!!ムキーーー!!!
って腹が立つと思います。
ダメなところに目が行きやすい
人柄が良い方なのに、顔を合わせるのも嫌なくらいにイライラしちゃう。
それは、長所よりも短所を見て、あれがダメ、これがダメ…と、批判しているからじゃないかと思います。
焦ったりイライラしていると余計、ダメなところに目がいきやすいので、その人にいったんイラっとしはじめると、どんどんダメなところしか見えなくなるんですよね。だから、顔を見るのも嫌!ってなっちゃう。
そうならない為には、ちょっとばかりイラっとした、イライラの初期の段階で、その人の良いところを見つけていくと良いんじゃないかなと。イラっを放置しておくと、どんどんイライラが大きくなってしまうので、プチイラッとしている自分に気付いたら、その日家に帰ってリラックスしている状態で、その人の良いところ探しをしたら…
仕事のペースは遅いけど、人当たりが良いから失礼な態度をお客さんにとらないし、同僚達は安心して話ができる人なんだよなあー。 めっちゃ気が強くて怖いおばちゃんだっているもんねー。なんて思えて、イライラは鎮まってくると思うんです。
とろいという表現も変えたらいいかもしれません。
ゆっくり、とか、丁寧とかね。
実際、お客さんの立場からすると、
テキパキ仕事をするけど急いでいて愛想がない店員と、仕事は遅いけど愛想の良い笑顔の店員と。
どちらの方が気分が良いか、と言ったら、よっぽど急いでいる時でもなければ、わたしは愛想のよい店員さんの方が好きだし、次も行こうって思えます。
常に誰かと競っている
人のダメなところに目が行きやすいのは、他人と自分を比較しているからではないでしょうか。
人と比べて、自分の方ができるって優越感に浸りたい、安心したい、という気持ちがあると思います。 だから自分より劣っている人を探してしまう。
なので、仕事が遅い人にイライラしている一方で、そういう遅い人がいてくれて安心している自分もいるんじゃないかなって思うんです。 自分よりできない人がいてくれて良かったー!って。自分より下がいるから、わたしは大丈夫、って。
もし、自分よりみーんな作業が早くて、もっとも仕事が遅いのが自分、という状況だったら…。
自分のダメっぷりに耐えられなくて仕事を辞めてるかもしれないですね。
あの人には勝っている、この人には負けている・・・と比べるから、いつも安心できないんです。 そして、焦ってしまいます。
イライラしやすくもなりますよね。
そのイライラがお客さんにも雰囲気や表情から伝わっているかもしれません。
競わなければ、あの人はあの人、自分は自分。
わたしはわたしのできることをやるのみ!と割り切って、働けるんじゃないでしょうか。
傲慢になっていないか?
みんながみんな、自分と同じように動けるわけじゃないし、動かなきゃいけないわけでもないんですよね。
だから、自分の考えを他人に押し付けているんじゃないか?と自分を振り返ることが大切だなあと思うんです。
冷静になって考えたら、トロいとか仕事が遅いとか散々悪口言ってしまったけど、自分はどうなのか…。
他人を批判できるほど、素晴らしい接客をしていると胸を張って言えるのか?って考えると、『YES』と断言はできないし…。
それに。今のところ体が健康で自由に動けるかもしれないけど。
年齢を重ねるにつれ、腰が痛い、肩が痛いとなり、体が思うように動かなかったり、免疫力が下がってきて体調を崩しやすくなるかもしれません。 病気だけじゃなくて、怪我をすることがあるかもしれません。
前みたいにテキパキ動けない自分と、変わらない周りの人達。前は私の方が仕事ができたのに、今はなんて惨めなんだろう…情けない、悔しい‥!
色んな思いが出てくるでしょう。でも、働かなければ生きていけない。辞めたところで、新しいところで働く自信もない…! 迷惑をかけている自分。助けられている自分。
そのうちに、気付くと思うんです。
『自分はなんて傲慢だったんだろう』って。
自分ひとりが出来る気になっていたこと。周りに感謝が足りなかったことを…。
もし、仕事ができない人にイライラする!とムシャクシャする日が続くなら、仕事が休みの日にでも、少し落ち着いて、お茶でも飲みながら、ちょっとお高めのクッキーを食べながら、バードウォッチングでもしながら、春の風を感じながら、線香花火でもしながら(←時期じゃないよ?)、リラックスした状態で、
ご自身のことを見つめ直してみてはいかがでしょうか。
きっと、「イライラするー!なにあの人!ムッキー!!」という気持ちで一緒にいるだけでなく、穏やかな気持ちを取り戻せるんじゃないかと思います。
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