皆さんは、興味はあるんだけど、いざとなると緊張したり、怖気づいてしまって、出来ない…なんてことはありますか?
私の場合、そのひとつが ”プールに行って泳ぐこと” でした。 今回から3回シリーズにして、この話を書きます。はじまりはじまり…。
唯一得意だった水泳
私は運動が大の苦手で、学校の運動会は毎年憂鬱でたまらず、どうにかして風邪をひかないかと、運動会の数日前から、お腹を出して寝たり、水風呂に浸かったりするものの、まったくの健康体で、元気ぴんぴんで当日の朝を迎えて、私ってなんでこんなに健康なのだと、なんとも罰当たりなことをぶつくさ言いながらテンションダダ下がりで運動会に参加する…というのが毎年恒例でした。
陸上も、ボール使う系も、マット使う系も、踊る系も何から何までてんでダメ…。中学の通知表、体育はだいたい2でした。1にならないのは、すこぶる健康体だったので欠席していなかったからでしょうか。
そんな私ですが、体育の中で唯一人並みに出来た種目があります。 それが”水泳”でした。
クロールも平泳ぎも背泳ぎも25メートル泳げました。習ったことはないけど、なぜだか泳げたのです。
”私はどんくさい” ”私はみんなの足を引っ張っている” 体育の授業の度に感じる劣等感が、水泳の授業だけは感じませんでした。 体育の中で唯一、緊張しないで参加できる種目でした。
高校では水泳の授業がなかったので、中学卒業と同時に水泳はしなくなりました。海に行くことはあっても、泳ぐんじゃなくて遊ぶのがメイン。子どもが生まれてからは、子どもと一緒にプールに行くことは何度かあったけど、やっぱり遊びがメイン。 そして、子どもの成長とともに、一緒にプールに行くこともなくなりました。
続かない運動
何か、運動した方がいいよね…。
年齢を重ねるたびに、その気持ちが大きくなっていきました。 私はインドア派なので、家の中で一日過ごしていてもちっとも苦ではありませんが(むしろそうしていたい。)、運動すれば気持ちが良くなるのは本当だし、心身の健康のためには運動が大事だってことは知ってます。
これまで、ジョギングをしてみたり、ジムに通ってみたり、家でできる筋トレアプリを入れてやってみたり…。やってはみるものの、続きません。
”やらねばならぬ” という気持ちでやっているので、楽しめていなかったのでしょうか。勤め先まで自転車で通うようになったのは、2年前。これも運動の為ではありますが、今だに続けられているのはなぜかといったら、楽しいから…っていうか、「ガソリン代が浮く」「車の運転より神経すり減らさずに済むから気楽」という大きな魅力があるからです。
そんな私に、今から約2年半前、”プールに行きなよ” と言ってくれた方がいます。このHPでも度々登場しています、心理セラピストのあらたさんです。
プールで泳ぐなんて、私の中にはない選択肢でした。でも、プールと聞いて、私の心は踊りました。
そっか、プールかあ! そうそう。私は泳ぎは得意だったのだよ! 水泳という運動があった!!!
私は即答しました。
いいですね!!! 行きます!!!!
と・こ・ろ・が…
さっそく通えそうなプールを探しました。 が、ちょうどその時、コロナが流行しはじめた時期で、市民プールが閉鎖中でした。
なんだー…がっかり。
とりあえず、水着やゴーグルを買っておこう。 コロナが落ち着いて開館になったらすぐに行けるようにしておくぞ!
ノリノリで道具一式をそろえました。
道具はバッチリ!あとは再開を待つばかり!! たまに市民プールのホームページをチェックしていました。
・・・すると3ヶ月くらい経って、プールが再開されました。
さあ、いざ、行かん!!! 道は開かれた!
さあ、いざ・・・行か・・・行か・・・・行か・・・・・・
行かれへん!!!!
やっぱ怖い!!! やだ!!! 水着になるの、やだ!!!! 恥ずかしい! 怖い! やだ!無理!
どんな人がいるか、分からへん!!! 怖い!!!! 無理!!!!!!
いざプールに行くとなったら、急に怖気づいてしまったのです。…いえ、急に、ではありません。内心、私が果たして一人で行けるのかなあという不安もありました。 でも、この時点ではいつ行くかが具体的になっていなかったので、その不安を見て見ぬふりしていたのです。
子どもが小さい頃、プールに行けたのは、一人じゃなかったから。「子育て」という大義名分があったから。子どものためにプールに入っているんですよ~という前提があったから、さほど緊張しませんでした。
でも、今回は違います。完全に、一人。完全に、自分のため。 しかも、水着。どういう人がいるのか、どんな雰囲気なのか、さっぱり分からない場所で、一人で、水着。恥ずかしい…。
やだ!!!やだやだやだだやだやだーーー!!!!
「今はちょっとやめとこ…」「まだコロナだしさ…」と、自分に言い訳をしながら、結局プールに行かずにずるずると時間が過ぎていきました。 次第に、プールのことを考えることさえしなくなりました。 たまに、衣装ケースにしまってある水着が目に入ったけど、何も思わなくなりました。そうして2年が過ぎました…。
いよいよ、やるか…
先月、再びあらたさんは言いました。
プール、行きなよ。
はっ!!!!プール!! そうだ、プール!!! 忘れていた…。いや、忘れていたっていうか、本当は、行く勇気がなくて、避けていたんだ・・・。そうだ、そうだったよ…。
この時になってはじめて、わたしは勇気を出せずに、プールから逃げていたんだ、と自分ではっきり自覚しました。
そう、一度は行こうと思ったプール。でも結局、逃げたまま、2年近くも経ってしまっていた…。
逃げる人生はもう終わりにしたい。勇気を出さなければ、今までと同じじゃないか。今の私ならきっと、出来るはず…!!
行くか・・・いよいよ・・・。ごくり。
その2に続きます。