レジ店員に苦情を言って気がついた事

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私は自分の事を「言いたいことが言えない人だ」と思っていました。
もっとはっきり、物が言えるようになりたいって、ずーっと思っていました。
言いたいことがはっきり言える人に、憧れていました。テレビドラマで悪人をぶった斬るかっこいい主人公、みんなを笑わせる司会者…羨ましい。あんな風にできたらいいのになあって。

言いたいことが言えない私。それも〇なのだ、そう思えるようになってきたものの、無意識のうちにこんな自分はダメだと自己否定している時もあり…。


言いたいことが言えずに、むしゃくしゃしたりモヤモヤしたり…そんな出来事をこのHPでも記事にしてきました。そのときの私は、”言いたいことが言えない大会” のチャンピオンベルトを腹に巻いている気分でした。腹にベルトを巻きながら、さらには、”気が弱いで賞”というタスキも肩からかけている気分でした。

しかし、この度。私は”言いたいことが言えない大会ベルト”と”気が弱いで賞タスキ”を、我が身から外すことにしました。 

山口百恵さんが引退時にステージにマイクを置いたように、私も、ベルトとタスキを外してステージに置きました。 そして、立ち去りました。(…どこに?)

私自身のセルフイメージ、”言いたいことが言えない自分”が、変化したのです。
それは、スーパーで買い物をしたある日の出来事がきっかけでした。

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レジ店員に怒り心頭

いつも行くスーパーで、買いたいものをカゴに入れて、レジに並びました。このスーパーは鮮度が良くて安いし、店員さんの対応も良いのでお気に入りのスーパーです。 私が並んだレジの店員さんは、初めて見る顔でした。年齢は私と同じくらいでしょうか。

その店員さんがピッピと商品にレジを通し、カゴに移している最中、私は持参した袋にその商品を次々に入れていきました。

私も以前、スーパーのレジで働いていた事があるのでわかるのですが、店員がレジを通した商品をカゴに詰めている最中に、お客さんがそのカゴの中に手を出してこられると、お客さんの手がちょっと邪魔になり、レジがやりづらいんです。 

でも、それをするお客さんって、かなりの人数います。
ちょっと迷惑ではあるけれど、そういうもんだと割り切って働いていました。
それに、私もお客さん側になったら、急ぎたい時はそうしますから、今回も、「ちょっと邪魔しちゃうけど、ごめん」という気持ちで、袋にさっさと入れていました。

しかし、この店員さんは…この私の行動が気に入らなかったようです。…いえ、実際のところは分かりません。でも、私が次々に自分の袋に商品を入れ始めたところから、その方の空気感が変わってピリッとしたんです。 やっぱり、長年人の目を気にして、顔色を伺って生きてきたのでね、そういうところは敏感なのですね。

その店員は、明らかに不機嫌になっていました。そして、ぶっきらぼうに、私に向かって一言、言いました。

店員
店員

出しますか?

え?出しますかって…どういう意味?

私は、店員のキレ気味の態度にカチンと来たうえに、「出しますか?」という言葉の意味が分からなかったので、「はい?何ですか?」と、聞き直しました。

すると、その店員。私の問いかけに答えず、シカトを決め込みました。
たいそう不機嫌な顔をして、こちらを全く見ずに、レジを打っています。

・・・てめえ。

ふつふつと怒りがこみ上げてきます。数秒後、私はもう一度、聞き直しました。「今、何とおっしゃったんですか?」と。するとその店員、私の方をちらりとも見ず、不機嫌そうに言いました。

店員
店員

出しますか? ここに。

「ここに」が付け加わったので、商品をカゴに入れるのではなくて、カウンターに直に置きますか?の意味だと分かりました。
私がカゴの中の商品を次々に袋に入れ始めたので、カゴに入れるよりも、カウンターに置いた方が袋に入れやすいんじゃないか?と。 そういう意味で「出しますか?」と聞いてくれたようです。配慮ですね、私への。

・・・でも、許せん。何だその態度は。

その後も、お肉はビニール袋に入れますか?とぶっきらぼうに聞いてきましたが、ふつふつと怒りの温度が高まってきていて自分でも何て返事したのかよく覚えていません。
あり得へん。 この態度は、あり得へん。 

私もレジ店員の経験があるから分かる。嫌な客もいるし、腹立たしい時もある。
だけど…わからない。なんでここまで、不機嫌なのだ? 私がとんでもなく嫌な客ならまだしも。 そこまでのことはしてないはず。カゴの商品を袋に入れてただけ。レジ店員にとっては、よくある日常のひとコマのはず。
それに、もし。もしも、その行動が許せなかったとしても、だよ。この態度はない。ありえん。

今日、何か嫌なことがあったんか? パチンコでぼろ負けしてから出社したんか? 嫌いなお局と私の顔が似てるんか? 直前にゴーヤを丸かじりして口の中が苦いんか? なんなん? なんなん???

しかし、あかん。この態度はあかん。 コンビニとかで態度の悪い店員に遭遇したことはある。しかしここまでひどいのは初めてや。 ヤンキーのアルバイト店員でもここまでひどくなかったで!!

ゆるせーーーん!!!!

沢山買い物をしたので、レジはまだ終わりません。
私は、ぶっきらぼうにピッピとレジを打っている彼女に、言いました。言ってしまいました。

わたし

あなたの聞き方、良くないですよ。
「出しますか?」だけでは、意味がわかりません。

店員
店員

ここに出しますか? と聞いたんです。

まだ私を見ることなく、うつむきながら不愛想に答えます。

・・・てめえ。

2回目の「てめえ」が出ました。もう誰も私を止められません。



わたし

あなたのその態度も、良くないですよ。





店員
店員

私の指が当たってしまったのでしたら、すみませんでした。





ここでようやく、「すみません」と謝りの言葉が出ました。 そして、少し、態度が軟化しました。
…が、何言ってんの? 指が当たった? 態度がわりいって言ってんのや、あほかい!


わたし

違います。あなたのその態度が良くない、と言っているんです。





…カンカンカーーーン!

ここで終了のゴングが鳴りました。鳴ってしまいました。

もっと言いたいことがあったけど、会計が終わってしまいました。
後ろを見れば、次のお客さんが待っています。

ここで大声出して、怒鳴りちらすような人間ではありません。
なんだあいつ!ざっけんな!とムッカムッカしながら、家に着きました。


はたから見たら言えている

わたし

ちょ、聞いてよーーー!!



家にいた息子に、この腹立たしい出来事を話しました。なんだ、あいつ!なんだ、あいつは!!まーじーでむかつくわああーーー!!!


すると息子が言いました。

息子
息子

お母さんって、日本人じゃないみたい。




わたし

え?なんで?




息子
息子

日本人はそういうの、言わないで我慢するじゃん。外国人みたい。
この前もさー、レストレランで、かくがくしかじか…。



レストランで…! そうだ、あれは、息子との久しぶりに外食した時に。
料理が出てくるのがすごく遅くて、最初に出てきた前菜でお腹がいっぱいになってきちゃって、店員さんに「待っている間にお腹がいっぱいになってしまったので、頼んである料理の〇〇、キャンセルできますか?」って聞いたんだよね。
でも結局、今すぐお届けしますので…って言われて、キャンセルできなかったんだよね。

ああいうこと、普通言わないよーと言う息子。

なぁにぃ~?!

あれくらい、どうってことないでしょ?普通に言うでしょ! と思ったのもつかの間、いや待てよ…。
確かにそうかもしれない。以前なら言えなかったのではないか? 遠慮して、ただ待っていただけなのではないか? うーむ・・・。今日のレジでの出来事だって、どうだろう。以前なら、言えなかった気がする…。 

少なくとも息子は、言えないらしい。だんだんと心臓に毛が生えてきて図太くなっているのか、私も…! 息子からしたら私は「言いたいことが言えない人」には見えないのか…!


この時ですね。 この時に私は、”引退”の二文字が浮かび、百恵ちゃんがマイクを置いたように、”言いたいことが言えない大会ベルト”と”気が弱いで賞タスキ”を外し、ステージを下りたのでした…。

(百恵ちゃんと一緒にすなよ。)

 

そうか、私は、自分で思っているよりも、言えているのかもなあ。



基準が100%だった。

「言いたいことが言える」という基準…。自分の中の基準。それは、とてもハードルが高い基準でした。ドラマの主人公、テレビの司会者。てきぱき、はきはき、言いたいことの100%、いつだって、誰にだって、ためらわずに言える。
それが私の中の、”言いたいことが言える人”だった…! 

だから私は、いつまでもいつまでも”言いたいことが言えない人”だったのだ。100%には、いつだって到達しないから…。

あの店員にまだ言いたいことがあった。指が当たったから怒ってんじゃねーし!その超絶不愛想な態度に怒ってんのや!という事を彼女はきっと理解していないだろう。

全然、言い足りん。言い足りないうえに、言葉のチョイスも間違えた。もっと伝わる言い方があったなって後になって思った。この時もやっぱり、100%言い切れなかったから、ダメな自分って思ったんだよね。

だいたい、言いたいことの100%を言える人って、果たしているんだろうか。いるとしたら、その人は周りの人とうまくやれているのだろうか。言いたい事ばかり言っていたら、圧倒的に嫌われるんじゃないか。孤立するんじゃないか。
私があの時、100%、言いたいことを言っていたら…おお、恐ろしい。お互いにエスカレートして、ヒートアップして、つかみ合いになりそうだ。バトルだ。戦場だ。カメラマンの渡部陽一さんに来てもらわなあかんよ。

だいたい、100%って、なに? 全部言う OR 全然言えない のどちらかで考えているんだよ。出たーまた出たー白黒思考、出たー!

案外言えている時もあるかもね。

私は言いたいことが言えない人だ・・・そんなセルフイメージで自分をかためてしまうと、言いたいことが言えている時があっても、そういう自分に気づかないんですよね。案外、言えてる時もあるかもしれないのにね。

なので、自分は言いたいことが言えない人だ、と断言しちゃうのはやめて「私って言いたいことが言えない場合が多い。」くらいに捉えたらいいのかもって思いました。

それから、言いたいことを100%、相手にぶつけられる人が、言いたいことが言える人だ…って、白か黒かのどっちか!っていう考え方になっていないかを振り返ることも大切ですね。

自分でハードルを高くしすぎているから、いつまでもそこに到達できないだけで、案外、言ってるかもしれない。100%じゃないだけで、50%は・・・言いたいことの半分くらいは、言ってるのかもしれない。

言えてる時もあるじゃん! いつもいつも言えないわけじゃないじゃん! そう気づいたら、また別の場面でも、言えている自分に気付いたりして、「なんだ、けっこう言ってるな、自分…」ってセルフイメージが変わっていくかも。

言えない事もあるけれど、言える時もある…って、自分で思うほどダメじゃなくないですか?何気に、けっこうバランスが良いかもよ…?

そもそも、言いたいことが言えないという悩みって、『自分や大切な人を守りたいのに、守れないジレンマ』からきていると思うんですよ。
だから、言う、言わないにこだわらなくても、自分や大切な人を守れるならそれでいいわけで、やり方は色々あります。そう考えたらより、視野が広がりませんか?


ってことで、「確かにそうだね…」と思ったあなた。 今から「言えないチャンピオンベルト」と「気が弱いで賞タスキ」を体から外して、ステージから降りましょうかね。