私には、憧れているというか…ああなりたいな、と思う人物像がありました。
こういう人↓
誰とでも気軽に話ができる、明るい社交的な人。
トークで人を笑わせることができる、面白い人。
言いにくいこともバシッと言える、かっこいい人。
いいなあ。いいなあ。あんな風になれたら良いなあ。
テレビで活躍している芸能人だったり、雑誌のモデルさんだったり、漫画やゲームの主人公だったり、学校で目立っている人気者だったり…。
キラキラしている人たちが羨ましくってたまらない。
ああなりたいのに、なぜか私はああなれない。
っていうかさ、私は、本当は、もっと明るいし、もっと面白いし、もっと堂々としているんだよ。
本当の自分を出せないだけ。
本当の自分はこんなじゃないの。
本当の自分はこうじゃない…!
なのに、どうして…!!!!
本当の自分を出せない。うまくいかない。
自分が嫌い。こんな自分が嫌い。本当の自分はこんなじゃないはずなのに…!
どうしても、受け入れられない。認めたくない。
内気で、暗くて、面白くなくて、うじうじしている自分なんて、許せない。
これじゃだめ。こんな自分じゃ、嫌われるし。
良い人に見られたくて、良い人ぶる。
だけど、良い人だなんて思ってもらえていない気がする。
みんなから悪口を言われている気がする。
嫌われている気がする。
こんな私はダメだ。これじゃあだめだ。
ああいう人にならないと…!!
「本当の自分はこんなじゃないのに…!」
これは私じゃない。これは私じゃない。
本当は、違う。
本当は、違うのに。
本当の私は、もっと明るくて、もっと面白い事も言えるし、言いたい事だって言えるんだから…!
…って、繰り返し繰り返し、頭の中で言い続けていました。
自分のことを客観的に見るのは難しいけど、
前よりは少しずつ、自分のことを、客観的に見れるようになってきて。
私ってこうだったんだなあと分かることがあります。
現実の世界は何も求められていない
私は、自分は嫌われる、とずっと思っていたのですが。
実は、自分をいちばん嫌っていたのは、自分自身でした。
社交的ではない、根暗な私を否定しているのは、自分自身。
面白味のない、真面目私を、否定しているのは、自分自身。
言いたいことが言えない、内気な私を、否定しているのは、自分自身。
自分のことが嫌いだから、周りからも、こんな自分だから嫌われると思ってしまう。
嫌われている気がする、というのは、自分が作り上げた妄想から始まっていて。
妄想の中の人たちは、私のことを、すっごく冷たい目で見ていて。
悪口を言っているんです。
現実には、私を好きだと言ってくれる人がいるのに。
そんなはずはない、と思ってしまう。妄想を妄想と認識できなかったから、現実が嘘、妄想の世界がほんとう、みたいになってた。
そりゃまあ、現実にも、私を嫌いな人はいるのだろうけれど。
悪口だって言われるときもあるだろうけれど。
そんなの、誰にでも当てはまる事で。私だから特別、なんじゃない。
嫌われたくない、という気持ちだって、誰にだってあるものだから。
それはそれ。
結局は、自分で自分を大嫌いで、妄想の世界を作っちゃってるところを、どうするか? だと思うんです。
どちらを見るのか?
私は、どっちを見たいのか?
どっちに、いたいのか?
現実と、妄想と。
根暗で面白くなくて内気な私。それが現実なんだよね。ああ、ちょっと胸がちくっとするね…。
だけど、そんな私を好きだと言ってくれる人がいる。それが現実の世界。
明るくて面白くて、言いたいことが言える私。妄想の世界の私は、かっこいい。
だけど、そこには仲間と呼べる人はいないのだ。かっこいい、と自己満足できる一瞬があるだけ。
周りの人の目は冷たくて、無表情。実体のない人たちしかいないのだ。
そうして、一人、
こんなはずじゃない、こんなはずじゃないと、叫ぶ私がいる。
私は、現実を見たいと思う。
澄んだ青い空を、「きれいだね。気持ちがいいね。」 と、ふと友達と空を見上げるときに。
自分が嫌われているかも?なんて考えない。
ただ、青い空の美しさと、清々しさを共有している。
満たされている。
仕事の合間に。同僚とおやつを食べる。
このチョコ、美味しいよね~!などと言いながら、もぐもぐ。
面白い事言わなくちゃ、なんて焦っていない。
ただ、美味しいね、って言って、甘いお菓子に幸せを感じ、ほっとして穏やかな時間が流れている。
うーん、今日のおかずの出来は、イマイチだなあ~
そういえば、今日のお弁当、美味しかったでしょう?
うわあ、この魚、骨たくさんありすぎない?
あれこれ言いながらの、家族での夕ご飯。
ただ、私がいて、家族がいて、ネコはスリスリと寄ってくる。
とても、安心感がある。
明るくない。面白くない。堂々としていない。
現実の私は、理想像とはかけ離れている。真逆の自分だ。
かっこ悪いかもしれない。 ダサいかもしれない。キラキラしていない。
ただそこに、私という人間がいる。
でも、そんな自分を、かっこ悪いとかダサいとか、まったく思わない人がいる。それが現実。
っていうかそもそも、明るくて面白くてかっこいい私になってほしい、なんて誰も求めてないのが、現実。
そう、現実は、私は何も求められていないのだ。
大切な友だちが前に言ってくれた。
「さゆちゃんにかっこよさを求めている人はいないよ。」
そうなんだ、自分で要求していただけ。いつだってずっと。
他人に求められている気がしちゃうのが、妄想の世界。
妄想の世界に行くのは得意。ずっとしてきたことだから。
だけど、前とは違い、妄想を妄想だと認識できるようになっている。
だから気付いたときは、自分に問いかける。
「私はどっちにいたいの?」と。
現実は時に恥ずかしく、時に情けなく、時に退屈かもしれないが。
だけど、そこにしかない、そこでしか見れない、感じられないものがある。
それこそが、かけがえのない、宝物。
妄想の世界に行くのは得意だから、ついついそちらに行こうとしちゃうけれど。
私は現実を見る努力をしたい。
願わくば。自分のことが嫌いで、仕事仲間にも嫌われている、悪口を言われている気がする…そんなあなたとも一緒に。