”ありのままを受け入れる事”の勘違い

ありのままの自分を受け入れましょう、って聞いたことありませんか? 
自己啓発本などには必ずといっていいほど、そのような事が書いてありますね…。

自分を否定しないこと。どんな自分も受け入れること。そうすれば自己肯定感が上がって、人付き合いの悩みやストレスも減るよ…って。私も、自分を否定しないことの大切さを実感しているし、このHPにでもそういったことを書いてきました。

ですが。 ですがですが。

”ありのままを受け入れる事”について、今まで私は勘違いしていたのかもしれないぞ…!って思ったんですよね。 それは、3歳の女の子と話をしていた時の事でした…。

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良い人ぶっている自分

私

あら~かわいい♪ フリフリのスカート、おしゃれね~♡



小さい子と話す時の私は、普段よりも声のトーンが上がって、ニコニコして、めっちゃ優しくなります。デレデレしています。
わざとしているワケではなく、かわいくてたまらない!っていう気持ちから、そうなってしまいます。

でも、こんな時、私の頭の中で妄想が始まります。

私をよく知る人たちが、こんなにデレデレして優しくなっている私を見たら、「あーいやだいやだ。いい人ぶっちゃって!本当は性格悪いくせに!」って思うんじゃないか…と。




そんな妄想をして不安になるのは、なにより、私が私の事をそう思っているからです。
あー嫌だ。人によって態度が変わる私。良い人ぶる私は、嫌なヤツ!…って自分で思っているのです…。


良い人のふりをしてしまうのは、子どもの前ばかりではなくて。
家の中と外でも態度が違うし。先輩と後輩とでも違うし。嫌いな人と、好きな人の前でも違う。

なんで私は、こんななんだろう。心の中では悪態ついていたって、その人の前では良い顔しちゃうときもあれば、不機嫌をもろ態度に出すときもある。 こんな自分が嫌だ。態度が変わらない、一貫性のある私でいたい。

そうやって今の自分に×を付けていることに気付いたら、「あ!いかんいかん。こういう私も私。ありのままを受け入れよう!」って考え直して、自分に〇をすることを意識していました。


でも、待って…!

こうしてありのままの自分を受け入れようと意識しているのは、その先に待っている素敵に変化した私を期待しているからじゃなかろうか…?! 



変わる自分を期待していた

ありのままの自分を、自然と受け入れられるようになったその先に待っている私の姿、それは…。

家にいるときと同じように、外でもリラックスできる私。
雑談が上手な私。
冗談が言える私。
誰に対しても態度が同じ、優しい私。
でも、言うべきことははっきり言える私…。


そう。今の、ありのままの情けない私を受け入れることができたら、いつかは、ありのままのかっこいい私になれるって…そう思っていたのです!!

未来の素敵に変化している自分を期待して、今のありのままを受け入れようとしていたのです。
でも、これって結局、今の自分のありのままを否定しているよね…?!ずっとずっと、否定し続けるよね…?!


うわあああーーー勘違いしてたよーーー!!




ごみ捨てに外に出たら、ちょっと遠い位置にご近所さんがいて、挨拶したいけど、ここから挨拶しても聞こえないだろうな…もうちょっと近づいたらにしよう…いや、でも、やっぱり今挨拶しないと無視しているって思われそうな気がする…よし、挨拶は今がベストだ!!! 
と挨拶したら、ああああ…やっぱり、声が届いてない… ああ、嫌だ、ああ、みじめ…

って凹む自分がいる。

その一方で。
自転車通勤してゼーハーゼーハー肩で息をして出勤した時の私は、挨拶の声がいつもより大きくなってハキハキしていて、声の大きい自分にびっくりしながら、「美月さん、今日元気いいわー。どうしたの?? いつもと違うじゃーん。ぷぷぷ。」って相手に笑われているんじゃないか…って、ちょっと恥ずかしくなる。 そんな私もいる。


ありのままの私を受け入れられるようになったら、ゴミ出しの時も、自転車通勤後も、そうでないときも、いつだって、もじもじしないで、恥ずかしくもならないで、元気な挨拶ができるんだ…って思ってたよ。


違うわー違うんだわー。

この書類はもう使わないから処分しちゃえ!とシュレッダーにかけたら、「あの書類、返却してください」って事務の方から言われて、捨てたって言ったら怒られそうだから、「あー…えーっと…どこやったっけかな…えーっと…探しておきます!!」って、捨てたと言えない臆病者の私。その場しのぎで適当なことを言うずるい私。

この、臆病でずるい私をありのまま受け入れたら、いつかはきっと、「私、捨てちゃいました!すみません!!」って、すぐに潔く謝れる、堂々とした私になれると思っていた。

違うわー違うよねー。



無責任だったり、卑怯だったり、自分勝手だったり…。

そんな嫌いな自分。見たくない自分も否定しないようになったら、いつかは責任感があって、まっすぐで、自分に正直で、人の気持ちが分かる、そんなありのままの自分になれると思っていた。
ありのままの素敵な私に近づくために、今の自分を、ありのまま受け入れなければいけないんだって思っていた…。


そりゃあ、生きていればだんだんと神経図太くなっていって、言いたいことをズバズバと言えるようになるかもしれない。 自分と向き合う中で、少しずつ、理想のかっこいい自分になっていくのかもしれない。
自分が良い方に変わっていく可能性は十分あるし、変わらない人なんていない。

だけど、それを夢見て、そこを目指して、そのために、今の自分を受け入れようとするのは違うんだ…!



小さい子にはデレデレする。人によって態度が変わる。好きな人と嫌いな人とで態度が違う。機嫌がいい日と悪い日で態度が違う。八方美人の時もあれば、強気な時もあり、弱気さ全開の時もあれば、かっこつけたり、強気な時も…そういう私が、私だよ。どこまでいっても、この私なんだわ。

もし、態度が人によって変わる自分が嫌ならば、そうならないように、誰にでも同じ対応ができるようにと、努力する以外に方法はない。

性格が悪い、自分はダメ人間だと否定して、堂々としている人が羨ましいと、指をくわえて柱の陰から眺めていたって、仕方がないんだ。


今がすべてなんだ。この瞬間、この瞬間が。どこかに”ありのまま”の素敵な自分が、ニコニコして待っているんじゃないんだ…!
この今をそのまま。短所だとか長所だとか関係なくて。今、こういう私がいる。それが全部。今が私の、ありのまま。



今、ありのままのそのあなたにできる事を

この”ありのままを受け入れること”の誤解というか勘違いというか…。
私と同じように、未来の理想的な自分に期待して、そうなりたくて今の自分を受け入れようと努力されている方もいるんじゃないかなと思い、書いたのですが、うーん…うまく伝わるかなあ。文章にするのがちょっと難しいです。
でも、これに気付いた時、目の前がさーっと開けて明るくなった感じがしました。


”今の自分”ができる事って何だろう?って考えながら、工夫しながら、取り組んでいく事は今までもやってきたし、セミナーやセッションでもお伝えしてきた事です。
でも、その心根っていうんですかね…どうしてそれをするのか?という点において、今までよりも理解が深まった感じがあるので、より深く、皆さんにもお伝えできるのではないかと、嬉しいです。
ありのままの今のあなたが、今できる事を…。一緒に取り組んでいきましょうね!

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