嫌いだからって排除するのは違うね

昼間はまだセミの鳴き声がたまに聞こえてきますが、夜になると、秋の虫の鳴き声が…リーンリーン、チリリリリ…と聴こえてくるようになりました。
そろそろ秋だなあ…そういえば、今年は蚊にさされていないぞ…!と思いながら、庭の草むしりをしていたら、顔を4か所もさされてしまいました。

でも、顔って、腕や足に比べたらちっとも痒くない場所ですよね。…ですよね、っていうか、自分の経験上、顔をさされてもほとんど痒みを感じないまま治っていたので、そういうものなんだと思い込んでいたのですが。
今回は、めっちゃ痒いです。めっちゃ痒いし、赤く腫れて目立っています。顔だから痒くないって、この世の常識くらいに思っていたんですけど…違ったようです。ああ痒い。

でも、マスクをするとちょうど刺された部分が隠れるのでラッキーでした。 暑い季節のマスクは本当に嫌ですが、今回はマスク様様です。夏のマスクを見直しました。

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遺伝子に刻まれているんだ説

私は子どもの頃から虫が嫌いでした。蜘蛛や毛虫はもちろんのこと、かっこいい、美しいなどと称されるカブトムシとかちょうちょもダメでした。写真を見るだけでも、背中がぞぞぞぞーっとしてきて、写真ですら直視できません。

子どもの頃、蜘蛛が近くにいる事に気付いて、うぎゃあーーと泣いて騒いだら、父に「そんなことくらいで騒ぐな」とえらく怒られた記憶があります。
どうしてそんなに嫌いなのか?と聞かれても、自分でもわかりません。気持ち悪いから、としか言えません。 私にとっては「そんなことくらい」ではないのであります。

この間、2歳くらいの子がですね、コバエが自分の近くに飛んできた時に、うぎゃあーーーーー!と泣き叫んで、ものすごく嫌がっていたところを目撃しました。 
超小さいハエです。私は、あれなら平気です。

嫌がっている子を見て、ああ、あんなに小さい子も、コバエという、キモさやグロさで言えば大したことのない、キモ虫ランキングの圏外の種類ですら、あんなに嫌がるのだなあ…と思い、こりゃあもう、虫が嫌いなことに理由なんかないんだ、生まれつきのものなのだと、この子も私も、遺伝子に「虫NG」と刻まれているのだという事で、納得しました。 

今度父の墓参りに行ったら、「父さん、あれは遺伝子に刻まれているのです。仕方がありません。」と報告します。父はすっかり忘れていて「何のこと?」とお空の上できょとんとするかもしれませんが、こちらとしては、一言言っておかねばいけません。

 

命は平等であるからして。

私がいくら虫を嫌っていても、虫はいっこうにお構いなしに近づいてきて、私の家にも侵入してきます。これまで、虫を発見したらすかさず殺虫剤を使っていました。殺虫剤は各部屋に一本は必ず置いてありました。 夏のお供に殺虫剤でした。

しかし。年月とともに、私自身に変化が出てきました。虫を殺すことを躊躇うようになってきたのです。

虫も生きているんだよね…。

殺虫剤を当たり前のように使っていた頃は、まったく考えた事もなかったのですが、生き物の命は人間だろうと虫だろうと平等で、自分が嫌だからという理由だけで、殺していいはずないよね…と思うようになりました。
息子たちも私に似たのか、虫は好きではなさそうですけど、昔から殺虫剤を使おうとはせず、いやいやながらも、ティッシュで包んだりして、外に逃がしていました。息子たちの方が人として立派であります。 
そういうわけで、私も極力殺虫剤は使うのをやめました。

けれども、残念ながら「キモい」「嫌だ」「怖い」と感じることは今までと変わりません。家の中で虫を発見したら決まって「うぎゃあ!」と叫ぶので、息子がびっくりさせないでよ!と言います。 いやいや、こんな恐怖はないですよ。こちとら虫に言いたいですよ。びっくりさせないでよ、虫!と。

同じく、虫は殺さないと言っていた友達に、「家の中に虫がいるって気付いたら、どうするの?」と聞いてみたところ、「ほっとく。」と言いました。

ほ、ほ、ほっとく?!

その答えは衝撃でした。仙人みたいやな…。そんな発想、まったくありませんでした。そうして私も、その友達を見習って、ギリ、放っておけそうな虫は、放っておくことにしました。

例えば、とても小さいガ…。夏、家の中でよく見かけるやつです。
以前はぎゃーぎゃー騒いでいましたが、今は放っておいても、ギリ平気になりました。

飛んでも遅いし、小さいし、やたらとこっちに近づいてくることもないので…。放っておくと2,3日で居なくなります。寿命がそのくらいなのかな…。

クモは、どうにかこうにか、生きたままコードレス掃除機で吸い込んで、外にポイっと出すことが出来るようになりました。掃除機で吸うくらいじゃ死なないです。紙パック式では出来ないですね。良かった、コードレスで。

そうこうしているうちに、虫に対する嫌悪感も昔と比べたらマシになってきました。蜘蛛も、小さい小さいものなら、じっと見つめることができます。 おい、なんだ、かわいいじゃん…。 先日、そんな感想を抱いていた自分にびっくりしました。
まあ、私は近視なので全体的にぼやけて見えているから大丈夫なのでしょうね。輪郭がはっきりくっきり見えたなら、背中がぞぞぞーっとするのは変わらないのでしょうが、進歩です。

しかしこれ、外見の好みの問題なんだわ、と私の中で答えが出ました。

人の外見の好みと同じなんです。筋肉質な人が好きだとか、スレンダーが好きだとか、ぽっちゃりが好きだとか、目が大きい人が好きだとか、シュっとした一重が好きだとか…人それぞれで好みが違うじゃないですか。

「どうしてそういう人が好きなの?」って聞かれても、返事に困ってしまいます。「なぜかは自分でもよく分かりませんが、好きなんです。トキメクのです。」としか言えません。

私は猫が好きで、あの丸っこくて柔らかいフォルムが大好きなんですが、猫が嫌いだという人もいます。私にはなぜ猫が嫌いなのか分かりません。
でも、嫌いな人からしたら、なぜ好きなのか分からないのでしょうねえ。

虫が嫌いなのも、それと一緒なのだと。
結局、好きでも嫌いでも、良いんです。どっちでも良いけど、嫌いだからといって殺してしまうのは間違っているぞ、ってことで…。

蚊にくわれた事も、くーー!!かゆいーー!!と、痒みにイラっとするけど、蚊にとっては生きるために血が必要なんでしょうから(違う?)、ただの趣味で人間の血を吸ってるなら、やめろや!と言いますけれども、生きるためならば、仕方ありません。こちらから好んで血を吸わしてあげようとは思いませんが、私の少量の血が、蚊の命に役立つなら、その蚊がまた子孫を増やせたなら…その蚊を食べて生き延びる虫がいて…虫を食べる鳥がいて…けっこうなことです。 …痒いけど。

 

ゴキブリはどうなんだ

しかし今こうして書きながら、ひとつの疑問が浮かんでいます。


ゴキブリにも、同じことが言えるのか…?と。

私が住んでいる地域は、ゴキブリが出ないんですよね。でも、この温暖化で、ゴキブリの生息エリアってもっと広がっていくのではないでしょうか?! ゴキブリを家の中で発見する日もそう遠くないかも??? ぞぞぞぞぞー!!


ゴキブリは無理だ…。素早い、飛ぶ、こっちに向かってくる。キモ虫ランキングの王様、殿堂入りのゴキブリ…。いやしかし。命は平等だ。キモイからと言って、殺してはならぬ…!うぐぐぐぐ。


虫を殺さない友だちに、今度聞いてみよう。「家の中でゴキブリが出たらどうするのよ?」と。
ゴキブリでもやっぱり「ほっとく」って言ったら、まじで仙人だわあ。


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