あなたの周りに、いませんか?
八方美人で世渡り上手な人が…。
『はちかた よしひと』というお名前の方でもありません。
八方美人とは、”誰からも悪く思われないように要領良く人と付き合っている人”のこと。
うん、そうそう。 要領が良いの!そうなのよ! そうそう、そうなの!ガッテンガッテンガッテン!あ、ガッテンボタンがなかった!早く!ガッテンボタンを用意してちょうだい!
みんなに良い顔しちゃってさ。 うまーいこと、人生送ってるように見えるわけ。
近くで見ているとイライラするのよ。
なにさ!ふん!ぶりっこしちゃって。いい人ぶっちゃって。
自分ってもんがないのよね!それなのに世渡り上手でさ、評判も良くってさ。なんなのよ!
あーもうムシャクシャするわあー!
そうだ!このイライラを鎮めるために、ハーブティーでも飲もうかしら。
気持ちを落ち着かせるにはカモミールが良いのよね、たしか…って、あらいやだ! わたしったらハーブティーが苦手だったわ!
なんなのよ、いっつもわたしはコーヒーオンリーのコーヒー党よ!
どうせあの子は、相手にうまく合わせてさ、ハーブティーも大好きです♪美味しいー♪なんて言うんでしょうね!ふんだ!あーむしゃくしゃするわー!
…というように、
コーヒー党かどうかは別にしても、八方美人で世渡り上手な人が職場やご近所さんにいて。
そばで見ていてやけにイライラしたり、面白くない気持ちになっていませんか?
仮面をかぶっているわけじゃない
わたしの周りにも、八方美人さんはいます。あ、”はちかた よしひと” というお名前の方じゃないですよ。
誰にでも良い顔をするっていう意味の、八方美人さんです。
わたしが言う事に「そうだよね」と言っておきながら、別の人の違う意見にも「そうだよね」なんて言ってるところを見たら、「なんなん? 自分の意見ってもんがないんかい!」ってイライラすることもありました。
でもね・・・。
最近は八方美人さんへの見る目が変わりました。
今までずっと、八方美人さんは、その場その場で仮面をかぶっているって思っていたんです。
Aさんといるときは、Aさん用の仮面をつけて、Bさんといるときは、Bさん用の仮面をつけているんだと。
仮面といえば、麻宮サキですよね。 マッポの手先の鉄仮面。ストーリーはうろ覚えですけど、確か
鉄仮面が割れて外れた時の姿が、本当のサキちゃんなのです。平成生まれの方、わけわかめの話でごめんなさい。
まあそれと似たようなもんで、仮面をつけている間は、本当のその人じゃないって、思っていたんですよね。 仮面取っちゃえば、腹黒かったり、性格悪いくせに!ってね。
それなのに、うまいこと仮面をかぶり続けて、続けて、続けてて・・・。うまいこと世の中渡っちゃってさ。ちやほやされちゃってさ。
仮面を外した本当のその人は性格が悪いのに。
いつも本性をごまかして隠して、仮面かぶり続けて、いい子ぶりっこして!!ってイライラして、許せなかった…ような気がします。
八方美人は悪い事?
でも。それって違うんだなって、今は思います。
仮面をかぶっていたわけじゃなかったんだなーって。
マッポの手先じゃなかったんです。 南野ちゃんじゃなかったし、初代の斎藤さんでも、三代目の浅香さんでもなかったんです。
どういうことかと言うと、仮面をかぶっているんじゃなくて、どんな時でも、その人はいつだってその人だっていうことです。
仮に、その方のお名前を八方(はちかた)さんとしましょう。 八方美人なだけに。
だけにね。
Aさんといるときの八方さんも、Bさんといるときの八方さんも、どっちも八方さんそのものということです。
別にAさんといる時の八方さんが『偽物はちかたさん』なわけじゃないし、Bさんといる時の八方さんが『本性ごまかし八方さん』でもないんです。
『どっちの八方もわたしなんですけどどうかしましたか? はちかたより。』っていうことなんです。
わたしの言うことに「そうだよね」と言っておきながら、ほかの人の異なる意見に「そうだよね」って返事をするというのも、わたしと話しているときは本当に「そうだなあ」って思っていたし、ほかの人の意見を聞いたらまた「うん、確かにそうだなあ」って思っていただけのことかもしれません。みんなにいい顔をしようと目論んでいるわけじゃなくて、結果的にそう思われてしまう、ということかもしれません。
仮面をかぶって偽っていると決めつけていて、八方美人はいけない事、ダメな事、ってわたし自身が思い込んでいたので、イライラしていたんだろうなって、思います。
わたしは、自分の中でルールを作っていて、
・誰にでも良い顔をしてはいけない。
・自分の意見ははっきり言わないといけない。
って決めていたんです。知らず知らずのうちに。
でも、これ、わたし自身が守れているのかっていうと、まったくそんなことはないんです。
みんなに良い顔をしちゃう自分がいます。
自分の意見をはっきり言えません。
で、そんな自分の事をすごく、嫌っていました。
自分で作ったルールが守れない自分自身を責めて、このルールを守っていない他人にもダメ出ししていた…って感じでしょうかね。
人に合わせられるのも才能
誰にでも合わせるっていうことを、「自分がない」とか「良い人ぶっている」とか「ぶりっこ」とか「スケバン刑事かよ!鉄仮面、被りやがって!」なんて、悪く捉えていたら、やっぱりムカムカしてきますけど、
相手に合わせる才能があるっていう見方もできると思うんですよね。
きっと、もっと自分を抑えて相手に合わせられるようになりたい…って思っている人もいると思うんです。
我が強すぎて、他人とうまく付き合えないという人もいますよね。
あまり自己主張をしすぎると、周りから「関わりたくない」とか「面倒くさいやつ」って煙たがられちゃいますもんね。
余計な衝突を防ぐことができて、円満な空気感を醸し出せる…それって八方美人さんだからこそなせる技ってもんです。
八方美人さんは基本、相手に合わせるので、相手からすると「うん、うん、そうだよね」って肯定してくれるので話しやすいんですよね。聞き上手な人は好かれますね。
それを世渡り上手という目でみたら、羨ましいとか嫉妬になってしまうのかもしれませんが。
見方を変えれば、良いところもたくさんあります。そして、自分自身もまた、八方美人なところがあるなって思うので…こういった良いところを自分も持っているってことです。
そして、あの八方美人さんも、もしかしたら「わたしってどうしてこんなに八方美人なんだろう…」って悩んでいるかもしれません。
周りからはそう見えなくても実は悩んでいて、自己主張ができるようになりたい!って思いながら、相手に合わせているかもしれないです。
もしそうだとしたら、わたし自身と同じように、できない自分を責めているかもしれないです。
八方美人さんへの見方を変えてみよう。
八方美人はダメ、良くないことだ、と決めつけていると、八方美人なふるまいをしている人を許すことができず、いつまでたってもむしゃくしゃしっぱなしです。
でも、どれだけむしゃくしゃしても、目障りだ!!と嫌っても、その人が変わることはないですよね…。 これじゃあいつまでたっても、むしゃくしゃ気分から解放されません。
だったら、自分自身が、八方美人さんへの見方を変えるしかないのです。
まとめると・・・
・八方美人さんは、マッポの手先じゃない。鉄仮面をかぶっているわけじゃない。
そう、自分を偽っているわけじゃない! どんな姿もその人自身。
・八方美人な振る舞いは悪いこと、ダメな事だと思っていないか…?
・自分自身にも八方美人なところがあるけど、そんな自分を嫌っていないか。
・あの八方美人さんも、もしかしたら「私ったら八方美人で嫌だわ…」って悩んでいるかもしれないよ?
・八方美人さんは否定しないで話を聞いてくれる、聞き上手さんで、場の空気を良くしてくれる人。
↑このように、八方さんへの見方を変え、自分自身を振り返り、考え方を変えることで、わたしは八方さんへのむしゃくしゃを解消することができるようになりました。
皆さんも、八方美人さんが身近にいて、イライラしたりむしゃくしゃしたり、おもしろくない!っていうときは、自分を見つめ直すいいきっかけになるかもしれないので、八方美人さんを見てむしゃくしゃしているご自身を心が狭いとか、ダメだなどと嫌わないでくださいね。(←わたしはよくこんな風に思っていました。)
『その鉄仮面、割ってやる!』などとムキにならないでくださいね。鉄仮面を割って、南野ちゃんが現れてくれたらそれはそれで嬉しゅうございますが、可能性は低そうですもんね。