私の息子二人が保育園に通っていたのは10年以上前になりますが…いまだにふと思い出すのは、あの保育園の園長先生の笑顔なんです。
当時、おそらく50代半ばくらいの…女性の園長先生でした。
園児は確か150人くらい在籍していたと思うのですが、びっくりしたのは、私の息子二人の名前をちゃんと覚えていてくれて、会うたびに、名前を呼んで挨拶してくれたり、二言三言ですが、話しかけてくれるってことです。
名前を覚えてもらえているって、嬉しいものですね。ちゃんと見てもらえているんだなあって。
大勢の保護者が集まる運動会とか発表会などの行事では、一番最初に園長先生の挨拶があって、その時決まって、手品を見せてくれました。トランプが消えるとか、帽子から旗が出てくるとかね…王道の手品です。それが場の緊張感を和ませてくれるんですよね。きっと沢山練習していたんだろうなあ…。
なんでしょうね。笑顔が温かかったんです。担任の先生じゃないし、深く話したことは一度もないんですが、でも記憶に残っていて…。優しい笑顔。
当時はそこまで感じていなかったけれど、今になって思うのは、あの笑顔から私は「あなたを見ているよ。」「がんばっていますね。」という応援のメッセージを受け取っていたのかもしれません…。
孤独で誰にも心を開けなかった私に、ほっとする瞬間…”陽だまり”を与えてくれた方だったのかもしれません。
そう。それでいいんだよねって思います。
面白い話ができなくても
大きな声が出せなくても
会話が続けられなくても
集団が苦手でも
緊張しいでも
温かいその笑顔。
それだけで。ほっと救われる人がいるんだもの。